地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『山椒大夫』(溝口健二/1954/大映)

民話を基にした森鴎外の小説「山椒大夫」の映画化。相変わらず早坂文雄の音楽にしびれる。舞台は平安時代末期。人攫いの罠にかかり母と別々になった安寿と厨子王は丹後の豪族・山椒大夫の荘園に奴隷として売られ10年もの間過酷な労働を強いられる。ほとんど逆光で撮影されたというモノクロのコントラストがとても美しく(水墨画のような山や水面に浮かぶ船の風景に息をのむ)、他作品でもそうなのだれど別離のシーンや泣き叫んだり関白に必死に直訴するシーンの緊迫さは感激するほどリアル。安寿が入水するシーンが泣けるのに対して妹を見捨てたように受け取れる兄・厨子王の勝手さが多少疑問。子供の頃の厨子王を幼い津川雅彦を演じているのだけど小さいながら顔も声も津川雅彦だった。ラストシーンはゴダールの『気狂いピエロ』で再現されているというけれど、正直覚えてないので見直してみたい。

山椒太夫 [VHS]

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溝口健二 大映作品集Vol.1 1951-1954 [DVD]

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気狂いピエロ [DVD]

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最新映画といえば『こま撮りえいが こまねこ』とか『大奥』とか『犬神家の一族』とかちょっと見てみたいなーとかぼんやり考えているだけなのだけど、そういえば12月中、梅田ガーデンシネマで『没後五〇年特別企画「溝口健二の映画」』という特集上映をやってるみたいで、『お遊さま』とかスクリーンで見てみたいのは見てみたいけど見てみたい作品は平日昼間だったりして特集上映て時間がむずかしい。


大奥 スペシャル・エディション [DVD]

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