地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『子供たちの王様(孩子王)』(チェン・カイコー/中国/1987)


子供たちの王様 [DVD]

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ロングショットが絵画のように美しくドラマ的にもおもしろく、間違いなくレベルの高い作品。


貧しい農村で労働をしている"やせっぽち"というあだ名の男が中学校の国語教師として任命されて学校に赴く。中国で1966年から10年間続いた文化大革命(権力闘争)の時代。やせっぽちが生徒のワンフーに「辞書を書き写すな」と言って去ったこと、野焼きと呼ばれる山を焼き尽くすこのシーンがラストにあり、これが文化大革命を皮肉る映像であったと気づいたのは残念ながらこの映画を観た後。


政治的な批判を前面に押し出さず詩的にまとめて後味のよい作品。