『動物園(Zoo)』(フレデリック・ワイズマン/1993/アメリカ)
アメリカでドキュメンタリー映画の第一人者であるフレデリック・ワイズマンによる、マイアミにあるメトロポリタン動物園の様子を撮った真摯なドキュメンタリー。動物園にそのまま入りこんだかのような一歩ひいた目線での映像。決してナレーションを入れて解説したり感動的にしたりするわけでもなく淡々と動物園の日常を描く。死産したサイの子どもの解剖では頭を切り落とし写真を撮り、身体は無造作に2人かかりでトラックへ。半殺しにしたウサギを蛇のエサにした様子、ヤマイヌの去勢手術。動物を見て楽しむ人々の様子以外の、冷淡にも思えるその映像には動物園経営の日常がはっきり映し出されている。