地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『浮雲 デジタルリマスター版』(成瀬巳喜男/1959)



2回目か3回目の鑑賞。


これでもかという森雅之の女癖に泣かされる高峰秀子。くっついたり離れたり、お金をもらいにやってきて渡したり、全編に漂うやるせなさ。これぞリアリティ。理屈抜きの男女の心情を描くという点では天下一品。雨の降る屋久島へ小さなボートで二人で肩を寄せ合い向かうシーン、息を引き取った高峰秀子を前に森雅之が嗚咽するシーンはもはや神業の域。