地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『いのちの食べかた(Unser taglich Brot)』(ニコラウス・ゲイハルター/2005/ドイツ、オーストリア)

様々な食べ物が大量生産される現場の様子を、たったひとつの台詞もなく淡々と描くドキュメンタリー。大量生産され機械的な作業を行うのも野菜なんかは冷静に見られてもこれが動物だったりするとなかなか映像を直視してるのがつらい。牛の加工過程は大きな動物だけにかなり残酷に映ります。棒状の機械の一撃でショック状態にして、死に切れずビクビクしている牛の足を縛り上げて宙吊りに。腹を切り裂くと滝のような大量の血が流れ出ます。これがダメだとかそういうことではなくこの現実を自分のなかでいろいろ折り合いをつけていくことに意味があるように感じます。原題は「私たちの日々の糧」という意味なんだけど、この邦題はちょっとずるい。こういう要素を持ってくることでこのドキュメンタリーの良さが薄れてしまう気がします。

いのちの食べかた [DVD]

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