地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『荷車の歌』(山本薩夫/1959/新東宝)

明治大正昭和の時代を生きる農村の女セキを中心にしたド根性の労働者女一代記。ぎゅうと詰め込まれた濃すぎる内容で見応えたっぷり。見終わったあとには大作を見た充実感に溢れます。望月優子三国連太郎も壮年期から老人まですばらしく演じ、前半は幼い我が子を思う母の気持ち、幼い子が母を思う気持ちに泣き、後半はあまりに早い時代の移り変わり翻弄されながらも家族が家族を思う気持ちに泣き、家族の連帯、憎しみの連鎖をたちきること、どんな生き方をするか、単なる優良な労働者映画ではなくて、人間の底にある感情と活力が沸き上がる映画です。

オト代の娘時代を演じた女の子が成人してからの娘を演じた女優さんとよく似てるなーと思ったら女の子の名前は左時枝、女優さんは左幸子、つまり姉妹でした(幸子が長女、時枝が五女)。似てるはず!この当時の左幸子市川実日子によく似てるから気になったのでした。


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