『夜の河』(吉村公三郎/1956/大映)
田中徳三が助監督で撮影が宮川一夫というのに興味を持って見たのだけど、それ以上に作品自体が良く面白かった。妻子持ちの上原謙に妙齢の山本富士子が恋してしまうのだけど、上原謙の(役の上での)ダメさはやはりすばらしいし山本富士子のいやらしさもすばらしい。京都を舞台にしているので京の町並みや風俗、大阪心斎橋の風景など、当時の様子もまた楽しい。山本富士子の着ている着物もまたすばらしく美しく見とれるほど。要所要所に「赤」を出してくるその使い方がモダン。メロドラマなのにまったく下品にならずメロドラマ以上の物語がある。
- 出版社/メーカー: 角川ヘラルド映画
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