地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『あらくれ』(成瀬巳喜男/1957/東宝)

成瀬巳喜男の作品に登場するいつもの高峰秀子でなく、気性の激しい、そして行動力抜群のバイタリティあふれる役どころ。いままで見た高峰秀子主演映画でいちばんあわただしい役かも?まさに"あらくれ"な人生放浪記。ちょっと男運が悪いけどほだされやすく、でも身体をはって生活していく男勝りな高峰秀子がたくましい。見ていくうちにそんな彼女がだんだん憎めなくてかわいくも見えてくるのが上手。三浦光子との大喧嘩がものすごくて小気味いい。一番愛していたのがか弱い浜屋の主人ていうのがいいなー。生活感たっぷりのドタバタ映画なのに土台がしっかりしているせいで一級品の映画になる。