地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


狂瀾怒濤の世界の叫もこの一瞬を犯しがたい

映画『ガッジョ・ディーロ (Gadjo Dilo)』(トニー・ガトリフ/1997/フランス、ルーマニア)。ルーマニアのトランシルヴァニア地方にいるロマ(ジプシー)達を中心にしたお話。同監督『モンド』(1995)は私のなかでとてもイメージがよくて、それは観た場所・観た心境・観た環境によるところはかなり大きいのだけど、社会的弱者である人々の立場を描く監督のなかでは冷静にみてもきっとイメージがいいと思う(たとえばケン・ローチよりも)。喜怒哀楽を歌や踊りで表現するジプシー達の姿に自由で力強い精神力を感じる。感受性の高さに驚く。そしてステファンを演じるロマン・デュリスのかっこよさにもクラリとする。『猫が行方不明』に出演していたらしいけれど覚えていない。笑うと最高にステキ。メルヴィル・プポーをワイルドにした感じ。作品外の話ではあるけれど、撮影前にロマン・デュリスは本当に一人のロマの女性と恋に落ちたのだそうで、ロマン・デュリスが良かったのはそのせいかもしれない。

帰りに食パンを買いたくてブランジュリ・タケウチに寄る。雑誌の影響のせいか狭い店内にいっぱいの人。若い女の子ではなくて意外と男の人が多かったのに驚く。奥さんにタケウチで買ってくるように頼まれたのかなーと想像をふくらませる。オジサン達のやまのようにつまれたトレーを見ながら微笑ましく思う。お土産がタケウチのパンて、いいお父さんだなー。

ELEY KISHIMOTO の岸本若子さんの記事を読んだ。"両親は弁護士で、自由な雰囲気の中で育ち、忙しい母はそれでも子供の繕いものをおろそかにしなかった。だから母のミシンは魔法のミシンに見えた。神戸で中学・高校を過ごし東京の女子美短大へ行ったあと、英国の名門セントマーチンズ・カレッジに進学。大学の研修期間中にニューヨークで知り合ったのが夫のマーク・イーリー氏。" 要約するとこんな感じ。なんだかかっこいいなあ。両親が弁護士、てあたりがかなり。