井上雄彦『バガボンド』1-37巻
連載がすでに終わってるものだと思い込んで井上雄彦『バガボンド』1-37巻を読みました。まだまだ続くもよう。これは…これは長い… 井上雄彦のライフワークであろうと思われる作品。4巻目くらいで、この物語は長い、とふんだけど、巻を重ねるごとに壮大な長編であることを感じます。おもしろいけど長い…
そもそもは宮本武蔵の話だからと、子どもたちにどうかと思ったけど、描写的に小学生女子ではなかなかキツそう。で、私が読んでました。佐々木小次郎の小倉話で盛り上がるかと思いきや、30何巻から田植えの話で物語的華がなくなり、田植えがこんなに長いとは思わず。連載終了はまだまだ遠そう。おもしろいんだけどさ……
バガボンド(37) (モーニングKC) [ 井上雄彦 ] |
バガボンド(1) (モーニングKC) [ 井上雄彦 ] |
NHK BS『平成細雪』がたのしい
細雪、とタイトルについてるだけの興味で見はじめた『平成細雪』がなかなかおもしろいです。
当然ながら谷崎潤一郎の原作が不動の最高峰。そして市川崑『細雪』(1983年 東宝) の映画も大好き。今回のドラマ『平成細雪』の時代設定は1992年(原作細雪の時代からはだいぶ先)という現代リメイク版。でも道修町にある旧小西家住宅がばーんと映し出されたのを見て、あー細雪やーとカンタンに盛り上がってしまいました。ええわあ。
長女・鶴子に中山美穂、次女・幸子に高岡早紀、三女・雪子に伊藤歩、末娘・妙子に中村ゆり。映画では岸惠子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子だったなーなんて思い出しつつ、映画とは別モノの敷居の低い間口の広い楽しさを感じます。全4回という長さも好き。このドラマのエンディングがまたいいのよねー
細雪(上巻)改版 (新潮文庫) [ 谷崎潤一郎 ] |
細雪 [ 佐久間良子 ] |
『小杉武久 音楽のピクニック 』小杉武久×藤本由紀夫トークショー@芦屋市立美術博物館
芦屋市立美術博物館で開催中の『小杉武久 音楽のピクニック 』展。小杉武久×藤本由紀夫トークショーを見るべく、ひとり阪神高速を運転して芦屋市立美術博物館に無事到着。隣にある谷崎潤一郎記念館も気になりつつ、本日は小杉さんに会いに行きます。
トークショー前に、グループ・音楽、タージ・マハル旅行団、マース・カニングハム舞踊団の写真やチラシやポスターなどなど貴重な資料と、サウンド・インスタレーション作品の数々の展示を見ながらひとり静かに燃え上がるおかーさん。小杉さんのサウンド・インスタレーションが良すぎる、作品の空間とこの音大好き、そしてタージ・マハルの当時のポスターなんやねん、てくらいにかっこいい。
トークショーでは即興の『South』も聞けて、小杉さんのキュートぶりが際立つものでした。「電波をキャッチ」という小杉さんの言葉にキュンとして、ことあるごとに「キャッチウェーブですね」で締める藤本さんのトークも楽しかったです。私も小杉さんに長生きしてほしい。
スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』
Eテレのソラリスの回から、家人が持ってた原作が手元にありながら、なかなか読めないまま年を越し、3日くらいかけて読み終わりました。思えばタルコフスキーの映画を見たのが20年くらい前、20年後に原作を読むとは……(しみじみ) 家人の持ってる原作の表紙はまさにタルコフスキーの映画のシーンのひとつ。スタニスワフ・レムの執筆が1960年、タルコフスキーが映画化したのが1972年、この文庫の発行が1977年。
半世紀以上昔のSFが古く感じないところがすごい。SFだけど人間ドラマでもあるのでとっつきにくさはそれほどありません。惑星ソラリスにある、知的生命体と思われるソラリスの海との接触。ソラリスの海が引き起こす人間の深部にある抑圧された記憶やトラウマを、それぞれの人間に<客>として出現させ、その<客>と離れられない宇宙ステーション内の閉鎖的空間で精神が侵されていくという、自分とは、他者とは、人間の存在自体も問うゾワゾワする物語。
ソラリス/スタニスワフ・レム/沼野充義【1000円以上送料無料】 |
惑星ソラリス 新装版【Blu-ray】 [ ナタリア・ボンダルチュク ] |
NHK Eテレ -100分 de 名著 スタニスワフ・レム「ソラリス」全4回
『ソラリスの陽のもとに』を紹介したEテレ「100分 de 名著」の全4回。
映画はタルコフスキー版もさらにタルコフスキーのリメイク版も見たような気がするんだけど、これが案外記憶がなく…。「100分 de 名著」でソラリスを放送すると知ったとき、タルコフスキーの断片的な記憶の映画を思い出して見てみました。本は未読。
タルコフスキーの映像の紹介や、ラストシーンの解釈が原作と違う云々、本を読みたくなるよい番組。タルコフスキーもまた見たい。家人の所有で『ソラリスの陽のもとに』が家にもあったので近いうちに読んでみようと思うものの、「おもしろいけど何いってるのかわからないところが多くて時間がかかる」と言うのでただいま後回し状態。私はすぐ安易な方にいくのでたまにはチャレンジせねば。
ソラリス (ハヤカワ文庫) [ スタニスワフ・レム ] |
小学4年生:国語辞典
保育園卒園時に保育園からいただいた小学生国語辞典があって、長女はそれを3年生まで使ってたんだけど(次女ももらったけど1年生はまだ使わないみたい)、4年生になってから言葉の意味を調べるという学校の宿題で、載ってない言葉がある、と何度か聞いたので普通の新明解国語辞典を買っていまはそれを使っています。
小学生国語辞典て思うより使う期間が短いのかな。
新明解国語辞典第7版 [ 山田忠雄(国語学) ] |
きっかけをつかむと投入したくなる母としては「漢検の勉強するときはコレが役にたっておもしろくてさ~」と新明解の横に新字源を置いてみたりしたけど、まだ自主的に開かれる様子はありません。まだ早いか?
角川新字源 改訂新版 [ 小川 環樹 ] |
『聖の青春』(森義隆/2016)
聖の青春 [ 松山ケンイチ ] |
29歳の若さで亡くなった天才棋士、村山聖の生涯。松ケンのなりきり村山聖と東出昌大のなりきり羽生善治に注目。WOWOWのW座で見たんだけど、イラストレーターの信濃八太郎のコメントがとても素直でよかった。幼い頃から病院食ばかりだった村山聖が、大阪に出てきて関西将棋会館の近くの定食屋で食べたふつうの焼き魚定食がものすごくおしいくて、吉野家の牛丼にたどり着いたくだりで原作まで読みたくなった。さすが広告関係。
将棋雑誌編集長・橋口陽二を演じてる人が好みだわーと思ってたら筒井道隆でした。わからなかったー。つくづくああいう小山薫堂的外見が好きなんやな……。
聖の青春 (角川文庫) [ 大崎善生 ] |