『熊座の淡き星影(Vaghe stelle dell'orsa)』(ルキノ・ヴィスコンティ/1965/イタリア)
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ヴィスコンティの豪華絢爛と退廃的さ、崇高すぎる完璧なヴィスコンティ的美学趣味で固められた貴族文化あふれる近親相姦がテーマの芸術作品。なんというかもう凡人とは素地が違う。「熊座の美しき星たちよ、わたしは思いもしなかった」というジャコモ・レオパルデイの詩の一節から取ったというタイトルもセンスいい。
上流階級のパーティからBMWでイタリアにある郊外の古い街に向かうアメリカ人夫とイタリア人妻。そのイタリア人の妻にクラウディア・カルディナーレ。高名な父親を崇拝し深い愛情で結びついている弟との再会。敬遠されている元ピアニストの母親。厚塗りの真っ白い顔でピアノを弾く姿は狂気そのもの。
モノクロの画質は悪いものの、そのため陰影がかなり深くクラウディア・カルディナーレが美しくも恐ろしくも映り、豊満な肉体がなんともエロくていいです。ヴィスコンティにしては尺が短く(100分)見やすい作品。