地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『誘惑』(吉村公三郎/1948/松竹)

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佐分利信杉村春子、愛人として女学生・原節子殿山泰司がなんと大学生役。こんな若い役の殿山泰司は初見。


杉村春子は胸を患う病弱な妻、という役なんだけど、杉村春子のいつもの役回りと180度違うため、どうにもそうは見えないのが残念。ここまで違うとねえ…… 夫・佐分利信のふとももをがっちり掴みながら「私たちもう一度夫婦の生活ができるかしら」とよよと泣く杉村春子はおそろしく生々しいけどどうにも噓くささが漂ってしまう。嫉妬心をあからさまにしてねっとり睨むこわすぎる杉村春子の姿は名シーンだと思うものの、不思議とあまりしっくりこない映画で、原節子のはしゃぎぶりもなんだか浮いて見える映画でした。


杉村春子が死に際に夫と子どもを原節子に託したからって、ラストのあのさわやかな満面の笑みは意味不明。