地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『ロシア革命アニメーション 1924-1979/ロシア・アヴァンギャルドからプロパガンダへ』@UPLINK FACTORY

アップリンクにて上映中。おもしろそう!たぶんジガ・ヴェルトフ「ソヴィエトのおもちゃ」しか見たことない気がします。エフィム・ガムブルグ、イワン・アクセンチュク、ウラジーミル・タラソフに興味津々。大阪来ないかなー。

日時:6/6(土)〜6/19(金)17:00(Aプロ)/18:40(Bプロ)
6/20(土)〜7/3(金)17:00(Bプロ)/18:40(Aプロ)
当日料金:一般 ¥1,600/学生¥ 1,300/シニア ¥1,000
   ※平日学割 ¥1,000
特別鑑賞券:1回券 ¥1,400/2回券 ¥2,500
▼公式HP
http://www.takeshobo.co.jp/sp/russia/

アニメは洗脳する!
チェブラーシカ」や、宮崎駿に大きな影響を与えた「雪の女王」またはノルシュテインの切り絵アニメをロシア・アニメーションの表の顔だとするならば、こちらは我々にはこれまで窺い知れなかったダークサイド。1917年に始まった共産主義革命の過程で、資本家やファシズムそしてアメリカを徹底的に否定し、革命の成果を誇示するために、早くからアニメーションのイメージ伝達の即効性に着目していたソヴィエト政府は、人民を洗脳する手段として、共産主義プロパガンダを目的としたアニメという特異なジャンルを80年代末の体制崩壊まで一貫して発展させていった。今見ると逆にカテゴライズ不能、ポップで刺激的なこれら短編アニメーションの数々――ジガ・ヴェルトフによるロシア・アヴァンギャルドの影響色濃いソ連最初期のアニメや、ロシア未来派の雄マヤコフスキーに捧げられたコラージュ・ワーク、そして米ソ冷戦真只中に、資本主義批判の建前のもとに敵国アメリカ以上のポップカルチャー趣味を炸裂させてしまった謎のアジテーション・アニメまで――いずれ劣らずクールでキッチュな全16作品。この極めて戦略的なメディアとしてのアニメーションを是非ご堪能あれ。

Aプログラム(全8作品/81分)
ソヴィエト・ドキュメンタリー映画の始祖ジガ・ヴェルトフによる「ソヴィエトのおもちゃ」、畳みかける破壊のイメージ連鎖が圧巻のパンク作「狼に気をつけろ」、サイケな共産テクノ至上主義アニメ「電化を進めよ」、アメコミ以上にポップな記号に満ち溢れた先鋭的怪作「射撃場」など、怒涛の8作品!
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1.ソヴィエトのおもちゃ(1924)
監督:ジガ・ヴェルトフ
2.用心を怠るな(1927)
共同制作:ニコライ・ホダターエフ 他
3.ファシストの軍靴に祖国を踏ませるな(1941)
監督:アレクサンドル・イワノーフ、イワン・イワノフ=ワノー
4.百万長者(1967)
監督:ヴィトールド・ボルジロフスキー、ユーリー・プルィトコフ
5.予言者と教訓(1967)
監督:ヴャチェスラフ・コチョノチキン
6.狼に気をつけろ(1970)
監督:エフィム・ガムブルグ
7.電化を進めよ(1972)
監督:イワン・アクセンチュク
8.射撃場(1979)
監督:ウラジーミル・タラソフ

Bプログラム(全8作品/81分)
これぞロシア・アヴァンギャルド!「惑星間革命」、45年も前に現在のサブプライムローン問題の発生を見事に予言したその名も「株主」、ロシア・アヴァンギャルド・ポスターやマヤコフスキーの詩で構成された解釈不能(これの一体どこがプロパガンダなの??)な「前進せよ、今がその時だ」など、圧倒の8作品!
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1.惑星間革命(1924)
監督:ゼノン・コミッサレンコ、ユーリー・メルクーロフ、ニコライ・ホダターエフ
2.レーニンのキノ・プラウダ(1924)
監督:ジガ・ヴェルトフ
3.勝利に向かって(1939)
監督:レオニード・アマリリク、ドミートリー・バビチェンコ、ウラジーミル・ポルコヴニコフ
4.映画サーカス(1942)
監督:レオニード・アマリリク、オリガ・ホダターエワ
5.ツイスター氏(1963)
監督:アナトーリー・カラノヴィチ
6.株主(1963)
監督:ロマン・ダヴィドフ
7.生かされない教訓(1971)
監督:ワレンチン・カラヴァエフ
8.前進せよ、今がその時だ(1977)
監督:ウラジーミル・タラソフ