『怒りの日(Vredens Dag)』(カール・テオドール・ドライヤー/1943/デンマーク)
中世に行われた魔女狩りをモチーフにしたノルウェーのとある小さな村の悲しい物語。第二次大戦中に作られた映画で当時ナチがデンマークを占領していた背景があることを考えると反ナチ映画ともとれる。はしごに縛り付けられた老婆を燃え盛る薪の火のなかに突き倒す火あぶりのシーンの迫力は思わず目をそむけたくなるほど。アンネの目が次第に欲や感情に支配されていく変化、表情の変化がおもしろい。最後に魔女の疑いをかけられたアンネが1点を見つめ茫然と涙を流す姿はふと『裁かるるジャンヌ』を思い出す。シンプルなのに人間の根底にあるような感情を突き動かす映画。
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