谷崎潤一郎『蓼食う虫』
ある夫婦が離婚へと向かう心理を刻々と丁寧に描きつつ大阪弁天座や淡路島での人形浄瑠璃観賞などという大衆芸能も登場する。緊張感というか緊迫感をもって綿密に描かれ複雑になる人々の心理状態が作品の魅力。関西の風土や関西の人々の様子も私にとっては楽しい描写で、お久の話す京都弁らしい京都弁も読んでいて楽しい。ただ谷崎潤一郎の作品の中では中くらいの位置にランキング。
- 作者: 谷崎潤一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1951/11/02
- メディア: 文庫
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