地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


谷崎潤一郎『蓼食う虫』

ある夫婦が離婚へと向かう心理を刻々と丁寧に描きつつ大阪弁天座や淡路島での人形浄瑠璃観賞などという大衆芸能も登場する。緊張感というか緊迫感をもって綿密に描かれ複雑になる人々の心理状態が作品の魅力。関西の風土や関西の人々の様子も私にとっては楽しい描写で、お久の話す京都弁らしい京都弁も読んでいて楽しい。ただ谷崎潤一郎の作品の中では中くらいの位置にランキング。

蓼喰う虫 (新潮文庫)

蓼喰う虫 (新潮文庫)