地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『放浪記』(成瀬巳喜男/1962/東宝)

林芙美子の出世作の自伝的映画。"林ふみ子"役の高峰秀子がふてぶてしい憎たらしいけれど愛嬌もある始終しかめっつらでおかしな顔をしたへちゃなブス役を作りこんだのがすごい。行商人の娘からやがて作家になるまでの人生を描く。成瀬巳喜男作品の、雨を映したシーンだとか、部屋から外を映したシーンだとか、そういう何気ない風景の数々が好き。「花のいのちは短くて、苦しきことのみ多かりき」『浮雲』でも使われていたこの短歌、『放浪記』では一層真実味を増す。

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