地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


生命のひしめき。混沌。天地創造の前の世界。


昨日の節分は、買ってきた恵方巻2本を家人と1本づつして南南東を向きながら丸かじり。豆まきもして節分行事は無事完了。

今日のお昼は北新地にあるうわさのお蕎麦屋さん"そば處 とき"。すべてのお蕎麦についてくる巻寿司。家人は蟹の身入りあんかけそば、私は十割そば。そばの香りがぷうんとしてしっかりしたお味のお蕎麦。お蕎麦も巻寿司も美味しかった。


『第1回おおさかシネマフェスティバル 映画ファンのための映画まつり』を開催している大阪市立鶴見区民センターへ。お目当ては石田民三監督『花つみ日記』。当時15歳の高峰秀子が見られる大阪・宗右衛門町が舞台の乙女映画。地元大阪ではなんと50年ぶりの特別上映とか。会場はご老人が多い。内容は、宗右衛門町の御茶屋の娘・栄子(高峰秀子)と東京からの転校生・みつる(清水美佐子)の友情物語。なんといっても高峰秀子がほんとうに愛らしい。少女映画特有の同性愛的な感情のゆれ具合。当時の女学生達の話し方。戦前の大阪の水の都と呼ばれた街並みも美しい。デコちゃんはいいなあ。

上映後のトークショーは『大阪を舞台にした映画をめぐって』。ゲストとして川本三郎(評論家)、上倉庸敬(大阪大学大学院文学研究科教授)。大阪生まれでないお二人から、「あのシーンがどこだか分かる方いらっしゃいますか?」と会場に問いかけた時の会場のご老人達のヒートアップがすごかった。「宗右衛門町の御茶屋は一番格式のあった"富田屋(とんだや)"です、かどっこにあった」「学校はウヰルミナ女学校ですワ、今の大阪女学院」(会場では"ウィルミナ "?と思っていたけれど"ウヰルミナ"と表記するらしい)、「教会は玉造にある教会です」「あそこは生国魂神社の北や」。会場の人同士で「ふたりがおった橋は天神橋・・・」「ちがいます、あそこは銀橋です」と訂正される一幕も。ついには「おそらく学校の設定は帝塚山やったと思いますワ」と自流の説を言い出す方や「ゲタ箱のシーンの高峰秀子さん見てました」という1939年のロケを見ていたおばあちゃんもいた!『花つみ日記』のロケ地のみで言えば壇上の二人より会場のご老人方のほうがすっごい詳しくてすっごいおもしろくてしゃべりだしたら止まらないご老人達。涙がでるほどおもしろかった。こんなにおもしろかったトークショーははじめて。

通称「銀橋」てどこの橋か分からなくて後で調べたら桜宮橋(さくらのみやばし)の通称だった。こんな通称わかんないよーと家人と嘆く。何十年も地元の人にはぜんぜんかなわないやー。

夜は新町のトラットリア・パッパ(TRATTORIA Pappa)。アラカルト4品とワインを堪能。量的にはそんなに多くないけど、味がしっかりめのイタリアン。自家製パンもおいしい。周期的にやってくるゴハン作りたくない病が今日で少し解消。明日からまたがんばろう。


熟成やずやの香醋欲しい!