地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


血の波を、鉄の壁をつたって、クロームメッキに沿って

最近なぜか背骨がいたくて座っていても立っていてもしんどくて、まじめに整骨院でも行こうか考えていたのだけど、今日は台風のせいもあってのんびり総計15時間くらい寝たら直った。疲れていただけかも。よかった。

映画『夕なぎ(Cesar et Rosalie)』(クロード・ソーテ/1972/フランス、イタリア、西ドイツ)。恋愛大好きフランス人たちの非常に難解な物語。衣装担当はイヴ・サンローラン。気の抜けた電子音楽はルネ・ラルーを思い出す。1970年代のフランス映画はこういうしょーもない感じの電子音楽が流行してた? イブ・モンタン演じる中年男の女性に対するしつこさ・執念深さは年をとればとれるほどみっともなくなる。一番の摩訶不思議はロミー・シュナイダー。元カレと一緒でないと今カレと幸せに暮らせないってみんなで暮らす(しかもその後二人を捨てて旅に出る)。

映画『熱いトタン屋根の猫(Cat on a Hot Tin Roof)』(リチャード・ブルックス/1958/アメリカ)。テネシー・ウィリアムズ原作。タイトルに惹かれる。ほぼ屋敷の中だけで展開するストーリーが意外。欧州的? エリザベス・テイラーの腰のくびれ具合がすごい。美しい。ポール・ニューマンも男前。今なら性的な描写がもっとあるかもしれないこの物語。暗く重いドラマというだけでなく若きポール・ニューマンエリザベス・テイラー演じるワケありセックスレス夫婦の物語に注目。

映画『地下鉄のザジ(Zazie Dans Le Metro)』(ルイ・マル/1960/アメリカ)。レイモン・クノー原作、チャップリンの映画のようなドタバタコメディ。目がまわりそうな警官とザジの追いかけっこには仕掛けがたくさんあって面白くないことはないんだけどザジ役のカトリーヌ・ドモンジョは思っていたよりも素直にかわいい女の子、というわけでもなく、古くもなく新しくもなく特別楽しいというわけでもない作品。ナンセンスさとバカバカしさがウリかもしれないけれど個人的には疲れる。

地下鉄のザジ』みたく、ちょくちょく古い映画を見ているにもかかわらず名作らしい名作を案外見てない。見なくちゃいけないということでもないと思うけれど、雑誌の映画特集をぱらぱら見ていてもあんまり面白くないのはそれら作品を見てないからで、ガイド本なんかを参考に映画を見てたりするほうがいいのかなーと思う。映画にしろ音楽にしろ、まともにガイド本参考にして見たり聞いたりしたことは高校生の頃以来?してないような気がして、だからなんとなくやっぱりまあいいかーという結論に落ち着く。