地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


深淵がその口を閉じるであろうとき、



そして禿鷲が突然石のように落ちるであろうとき、もはや物音はなく、言葉もなく、グロテスクな運動もないことだろう。

映画『薔薇のスタビスキー(Stavisky)』(アラン・レネ/1973/フランス)。時代背景や歴史が分からなくて理解できなかった。1930年代、フランス政界の裏側で暗躍した詐欺師スタビスキーのことはフランスでは超有名。けれど私は知らない。トロツキーのことも当時のフランスの左翼政権のこともまるで知らない。知ってることを前提に話が進むのでストーリーがあるのに筋を理解できないまま終わってしまったのでなんだか分からない。ジャン・ポール・ベルモンドの詐欺師役もなんだかあんまりな様に思えた。ユダヤ系民族の根深い苦悩は多くの映画で取り上げられるけれど(スタビスキーはロシア系ユダヤ人とか)、観てる側に判断をゆだねられるとそういう問題はとても分かりづらい。アラン・レネだと思って見たというのがそもそも間違い。

ペドロ・アルモドバル監督『トーク・トゥ・ハー』(2002/スペイン)が観たい。冒頭で舞踏家・振付家ピナ・バウシュの『カフェ・ミュラー』の舞台が見られるらしく、それもちょっと観たい原因。心斎橋シネマ・ドゥでやってるので行ってみよう。