地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


ぼく以外の世界はつじつまが合っている

車でお出かけ。はじめてうわさの阪神高速を走った(車が左右から入ってきて分かりづらいと聞いていた)。どきどきしつつ楽しいドライブは和歌山方面へ。目的地は和歌山県近代美術館の以下展覧会。


  • チャペック兄弟とチェコアヴァンギャルド
  • The Capek Brothers and Czech Avant-gardes
  • 「ロボット」を生んだ作家と国の、慎ましやかな芸術
  • 会場:和歌山県近代美術館
  • 会期:2003.06.01-2003.07.13
  • 開館時間:午前9時30分-午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 入館料:一般 \810 / 大学生:\510
  • 童話「長い長いお医者さんの話」「ダーシェンカ」、エッセイ「園芸家の一年」、未来を予見した「ロボット」など、幅広い著作で日本でも多くのファンを持つチェコの国民的作家カレル・チャッペク(1887-1938)と、その兄でキュビズムの画家と知られるヨゼフ・チャッペク(1887-1945)の20世紀初頭の叙情的なリノカットから幾何学的な構成主義のデザインまで先鋭的な感覚の作品を展示。


ヨゼフ・チャッペクの装丁が大好き。こんな素敵なかわいらしい装丁の本が今、本屋さんで並んでいたらと思う。版画のおもしろさは人の手が見え、思わぬ意図的ではない線が存在すること。ドイツ表現主義『年刊版画集ブリュッケ』の表紙とかを手がけた、キルヒナーの版画もすごいかっこよくて好きだけれど、ヨゼフ・チャッペクの版画が見る人を穏やかにするのは、政治的要素が薄いせいかもしれない。政治的という話はほんとは当てはまらないかもしれないけれど、とにかく素敵な装丁で、家人は図録も買っていた。

迷いながら到着したランチのお店は和歌山市榎原にある"カフェ ド パリゴー"。落ち着いていて静かな店内で、郊外のおすすめフレンチのお店、て感じがうれしい。お料理も美味しかった。

無理かもしれないけれど、車を走らせていて思うのは、やっぱり私はそれほど運転が得意なわけではないから、いつか家人が車を運転できるようになるといいな、と思う。希望というより私の中の夢のレベルの話。

帰ってから家人はうれしそうに買ってきた図録を読んでいた。カレル・タイゲの『ReD(デヴィエトシィル機関誌)』に注目していてちょっと興奮している様子。展覧会のタイトルの"チェコアヴァンギャルド"のほうに集中していたみたいで、あー見るとこ違うんだなー、て思った。思ったら楽しかったヨゼフ・チャッペクのことがなんとなく自分のなかでちいさくなってしまった。あ、だめだなー。楽しい日は楽しいままで終わらなくちゃ。