地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『アメリカの影(Shadows)』(ジョン・カサヴェテス/1959/アメリカ)


観賞はたぶん3回目か4回目。ジョン・カサヴェテス初監督作品にして即興演出という実験的な映画。


乳幼児のいる平和な生活をしていると、このノリやハズし方は刺激的でかっこよすぎ。チャールズ・ミンガスの音楽もいい。映画の構成もジャズぽい作り、ジャズ的なインプロヴィゼーション。芸名なのか本名なのか分からないけど、本名がそのまま役の名前として生きているのは、リアリズム的なムーヴメントのなかでそういう流れってあったよね。顔のアップのピントがずれているのすらすべてが良くて、画面構成、初期から上手いカサヴェテスの人物の心情描写にくらくらしました。マンハッタンに住む黒人の3人の兄妹。刹那的でドライであきらめ漂うその雰囲気作りは抜群。


チャールズ・ミンガスの音楽についてはジャズオタクの人たちから賛否両論みたいだけど、私みたいなソフトな音楽好きにとっては十分かっこいいと思える渋さ。