地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


東浩紀、宮台真司『父として考える (生活人新書)』


父として考える (生活人新書)

父として考える (生活人新書)


東浩紀宮台真司の共著『父として考える』という本のことをたまたま知り、家人に「こんな本があるんだってー」と話すと家人が本棚から『思想地図vol.4』を取り出してそのなかの一項、東浩紀宮台真司の対談「父として考える」を見せてくれました。こんなのあるけど、さらに対談して一冊の本にしたのかなーて。


思想地図vol.4 特集・想像力 (NHKブックス別巻)

思想地図vol.4 特集・想像力 (NHKブックス別巻)


短い対談だったので読んでみると、ふたりの娘に対する親バカぷり甚だしくておもしろかったです。ツイッターのアイコン、ふたりとも娘の画像だし。お互いの娘を自慢し褒めあい、時に謙遜し、「うちの娘は……」と話がつきません。すでに10作品は見せた宮崎アニメの反応だとか、ものすごい読みやすいなんとも和やかなオタクお父さん対談。垣間見せる(垣間?)本業の話もやわらかくなってておもしろい。

宮台「例えば、誰も教えないのに「死」の概念を学習しています。たとえて言うと、学習する以前にダムが決壊する寸前のような「生来の蓄積」があると感じるんですよ。ユングが「集合的無意識」の概念を思いつくのもむべなるかな(笑)」

東「すごいですね。お話を聞いていると、むしろ宮台さんのご家庭のほうが、父と母と子でちゃんとフロイト的な関係になっている気がします。だからこそ父は超越性として振舞うことができる。(略)」

宮台「うちの娘は、あきらかに母親と僕を取り合っています。僕が母親としゃべっていると、母親に「黙れ」というふうになる。」


父親側の育児対談や育児エッセイがおもしろいのは生活に密着しすぎないところなのかな。みんな総じて愛にあふれていて、お父さんたちめちゃめちゃ賢いのにかわいすぎる子どもを自慢したくて自慢したくて微妙に滑稽になってるのが楽しい。みんないいお父さんだなー。


山田風太郎育児日記

山田風太郎育児日記

赤ちゃん教育 (講談社文庫 の 14-1)

赤ちゃん教育 (講談社文庫 の 14-1)