『ボルベール<帰郷>(Volver)』(ペドロ・アルモドバル/2006/スペイン)
ペネロペ・クルスをはじめとする女性たちが織りなす血と絆と心の葛藤。ペネロペ・クルスがいい。気性の激しさや迷いのない颯爽とした立ち振る舞い、母の強さやたくましさを体現しつつ女として美しいペネロペ・クルスが格好いい。スカートをたくしあげ下着を下げて便座に座って用を足す姿も(こういう女性のトイレシーンを入れてくる監督て昨今多いような)、タンゴを歌う姿も、正面切って涙を流す姿も美しい。ペドロ・アルモドバルの女性主人公作品は、私は自分自身が結婚や出産をしていく度にどんどん好きになる。『オール・アバウト・マイ・マザー』(1998)も『トーク・トゥ・ハー』(2002)もたぶんいま見たらもっと好きになると思う。物語自体にリアリティはないのに鮮烈な色の使い方も上手で女性の本質を描く希有な監督。
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ペネロペ・クルスと料理について。『赤いアモーレ』(セルジオ・カステリット/2004/イタリア)で床に伏せている病人に、しっかり油で揚げた巨大なライスボールを至極まじめに「食べて」と差し出すシーンがおもしろくて(イタリアで病人が食べるスタンダード食て?)印象的だったんだけど、『ボルベール<帰郷>』でペネロペ・クルスが再び至極まじめにバケツサイズのプリンを作っているのがおもしろかった。なんて豪快な!お国柄かなー。
ペドロ・アルモドバルの次回作『ブロークン・エンブレイス』はペネロペ・クルスを起用するものの主人公は男性らしい。アルモドバルとペネロペ・クルスはいいなー。次回作も見たい。
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