地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『夫婦善哉』(豊田四郎/1955/東宝)

船場の維康商店の放蕩息子柳吉と芸者の蝶子の泣いたり笑ったりの憎めない大阪人情劇。『新・夫婦善哉』(1963)を先に見てしまっているのでその以前の話という感じでやっぱり楽しい。甲斐性なしの森繁久彌の愛嬌のある憎めなさ、そんな男が大好きで怒ったり泣いたりすねたりする淡島千景のかわいらしさ、その二人のテンポのいい絶妙な粋なやりとりが心地いい。ダメ男をやらせたら森繁久彌を差し置いてほかにないくらいの演技力。アドリブ多いのかな。川島雄三よりからっとした感じなのは森繁久彌が演じるせいかも。森繁久彌のたたみ掛ける様なエンジン全開のリアル大阪弁に流暢な大阪弁で応える淡島千景が大阪でなく東京出身というのが驚き。「おっさん、はよ牛蒡あげてんかいナ」「そうだっか」「ほんまによろしうおまっせ」等、単語みたいな言葉しか出てこないのがもどかしいけれど、上品で豊かな船場言葉はとても好き。パワーがあってたくましい愛すべき大阪人。せんば自由軒のライスカレー、法善寺横町の風景、大阪らしいカットも楽しい。そして楽しいだけでなく映像も美しいところがまた憎い。

夫婦善哉 [DVD]

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