地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『麦の穂をゆらす風(The Wind That Shakes the Barley)』(ケン・ローチ/2006/イギリス、アイルランド、ドイツ、イタリア、スペイン)

肌触りを感じるような質感の映画を撮れるのはケン・ローチの上手さ。1920年代、アイルランド独立戦争とその後の内戦。現実とは、自由とは。希望を持った青年たちの、追い詰めて追い詰められて翻弄された人生の悲劇。ケン・ローチの作品としては開かれた感じのする作品だけど、やはりケン・ローチ。繰り返す残酷な闘争。社会の築かれるリアリティさをドキュメンタリーのように細部までしっかり描く。