地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『郵便配達は二度ベルを鳴らす(Ossessione)』(ルキノ・ヴィスコンティ/イタリア/1942)

ヴィスコンティの長編処女作。アメリカのサスペンス小説をイタリアを舞台に差し替えた作品で、上流階級社会ではなく田舎の庶民を描いているのが少し意外。たとえばパゾリーニロッセリーニネオ・レアリスモと呼ばれる映画群の雰囲気を少し思い出したりする(パゾリーニロッセリーニほど痛烈な感じではなくもっと俗物的なんだけど、というかヴィスコンティが真の貧困を描けるのか疑問)。ジーノとジョヴァンナの目と目で通じ合い剛速球の燃え上がる男女関係の早さや、逞しいわりに女のことが頭から離れないジーノのへたれ具合にイタリア人の愛に生きる姿を垣間見たような気がする。