地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『新・平家物語 デジタル・リマスター版』(溝口健二/1955/大映)

大映『新・平家物語』シリーズの第一作目。生涯90作品を手がけた溝口健二のたった2作のカラー作品のひとつ。相変わらず豪華なセットがすごい、すごいけれど正直『新・平家物語』についてはそれ以上何か心を惹かれるという感じではない。壮大なスケールの男社会を描いているせいか他作品と較べると魅力は多少減。時は保延三年(1137年)、平安末期で武士の身分は卑しく藤原一族による政治で世が乱れていた時代。細かい時代考証をしているというけれど(歴史に疎いのでよく分からないけれど)、平清盛(市川雷蔵)の極太眉毛メイクは時は単なる雰囲気?時信の娘・時子(久我美子)の艶やかな姿をもう少し見たかった。暴動しかけの延暦寺の僧兵たちを清盛がひとりで丸め込んでしまうラストはちょっと強引では。

新・平家物語 [VHS]

新・平家物語 [VHS]