2005-11-12 映画『浮雲』(成瀬巳喜男/1955) 花のいのちはみじかくて 落ちに落ちた腐った男に、そうと分かっていながら、傷ついても、やるせなくても、どんなに惨めでも、好きで仕方ないからどこまでもついていく女(高峰秀子)の悲劇の物語。結局男と女はいつの時代も変わらない。常に寂しさを浮かべる高峰秀子の表情が美しい。どこに行くあてもなく、一瞬の幸福を求めた女。"花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき"。