塩の味を知るにはまだ青く清らか
映画の試写会に行く。かなり面白くなかったので題名は伏せて。映画のあとにお酒を飲みながらダメ出し大会。
川本喜八郎を観る。
- 「花折り」(1968/14分)
- 「犬儒戯画・全長版」(1970/8分)
- 「鬼」(1972/8分)
- 「旅・全長版」(1973/12分)
- 「旅・再編集版」(1973/4分)
- 「詩人の生涯」(1974/19分)
- 「道成寺」(1976/19分)
- 「火宅」(1979/19分)
- 「セルフポートレート」(1988/1分)
- 「不射之射」(1988/24分)
- 「いばら姫またはねむり姫」(1990/22分)
川本喜八郎の世界に心酔。感激したり怖かったりどきどきしたりしたすばらしい作品の後の「セルフポートレート」にウケた。感想を少し。「鬼」川本喜八郎の作る鬼はただ恐ろしいだけでなく美しい。三味線と尺八だけの音楽はシンプルで格調高い世界を築き、背景の金蒔絵も幻想的で、そこにリアルさではなく8分という中で虚の鬼の恐怖や美しさを描ききったことに感動。「道成寺」旅の若い僧侶に恋をした女の物語。思いつめるあまり大蛇か龍かという姿で僧侶を追いかける。松村禎三の奏でる音楽と心は連動。話さない人形たちの言葉が聞こえ、表情を感じる不思議。圧倒。「火宅」ふたりの男に愛される女の苦悩。純粋で残酷なストーリー。炎も、武満徹の音楽も、美しい。「不射之射」この作品だけは上海アニメーション上映だったかで見たことがあった。二度目として見るとしかし妻に仕事をさせ自分は弓矢の道を究めるため9年もの間修行に行くというダメ夫。少年漫画的。「道成寺」「火宅」以上ではない。「いばら姫またはねむり姫」岸田今日子が原作とナレーションを担当。トルンカスタジオにて製作したためかトルンカ色が強い。本当のグリム童話版「眠れる森のお姫様」。針にさされる意味は処女喪失。