人間や馬の思考も、おうむの叫びも、戦争も、出来事の環も
数日前日記に書いた近所のペットショップにいるフレンチブルドッグを密かに心の中で名前をつけてその店の前を通るたびにいとおしく思っていたのに忽然と姿を消していた。誰かに買われてしまったんだろうけどひじょうにショック。その子を見ると毎日癒されたのに・・・。しょん。
映画『インドシナ(Indochine)』(レジス・バルニエ/1991/フランス)。アカデミー外国語映画賞受賞の大河ドラマ。琴線に触れない重さと壮大さで面白くない。主演のカトリーヌ・ドヌーヴ、最近の姿をフランソワ・オゾン『8人の女たち』で見たけれど常にキレイでも10年でだいぶ変わるなーと思った。
映画『僕のスウィング(Swing)』(トニー・ガトリフ/2002/フランス)。トニー・ガトリフの作品は佳作ぞろい。『MONDO』(1995)や『ガッジョ・ディーロ』(1997)でロマ(ジプシー)音楽を多く耳にして素敵な音楽だと思うようになった(本作品はスウィング・ジャズが混ざっている様子)。チャボロ・シュミットのギターは面白い。気持ちいいくらいにゆらゆらと不安定に揺れる画面は安心感と親近感を呼び起こす。さわやかなひと夏の小さな恋。いい映画。
映画『バベットの晩餐会(Babette's Feast/Babettes Goestebud)』(ガブリエル・アクセル/1987/デンマーク)。19世紀後半のデンマーク。バベットの作るご馳走が素晴らしい。素敵な料理が出来るってなんて素晴らしいこと。丁寧な下ごしらえと綺麗な飾りつけ。料理は芸術であって消化するだけのものではない。この美しい世界ではすべてが可能だと。
映画『カオス』(中田秀夫/2000/日本)。黒沢清のホラーを思い出す。面白いは面白いけれど時間軸をずらしてコラージュされた物語を見せるのは新しいとは思わないし、なんというかはっきりしすぎて余韻が残らない。
映画『ウエスト・サイド物語(West Side Story)』(ロバート・ワイズ/1961/アメリカ)。こんなに有名な作品なのにいつまでも観ないものがある。ミュージカルが室内から屋外へと可能性を示し、ハッピーエンドしかあり得なかったミュージカル映画の常識を覆した歴史的作品。ダンスホールのダンスシーンの躍動感、屋外でのダンスの迫力、時を経ても色あせないミュージカル。見ていてとても楽しく切なく充実した作品。私はミュージカルが大好き。人間の身体が美しく動くのを見るのは大好き。