戦争があり、愛があり、無知があった。
Tちゃんが紹介してもらった男の子と遊びに行くとはしゃいでいた。「最初はな、絶対家まで車で迎えに来てもらうねん。駅で待ち合わせとかしたら歩く駅女やと思われるやろ」。カッコイイ。ちょっとシビれた。駅女。
ふたたびシネ・ヌーヴォでイングマール・ベルイマン映画祭に行く。『鏡の中にある如く(Sasom I En Spegel)』(1961)を鑑賞。神は神でないというベルイマンの本作品。姉弟がシェークスピアの寸劇を演じるシーンがとてもいい。夢か現実かあやふやな瞬間、あるいは現実が自分の境界線をつきやぶって侵入してきたとき、人はどうなるか。女は現実を逃避して精神病と言われたわけではなく、現実があまりに自分に入り込んできたために陥った病ではなかったか。弟が父親に言った最後のセリフに不思議な感覚にとらわれて、現実が何なのか確信できなくなった。私も誰かが待っている扉の向こうへ行きたいと願った。夢と現実は鏡のようなものだろうかと冒頭のゆらゆらとゆらめく不確定な風景、そして美しい風景を思い出す。
代官山LLOYD GALLERY。6月27日から7月2日までイーリーキシモトのサンプルセールが開催されている。サンプルセールとは撮影などに貸し出されるお洋服のセール。ああ、行きたい。
そして映画メモ。
映画『小さな泥棒(La Petite Voleuse)』(クロード・ミレール/1988/フランス)。シャルロット・ゲンズブール主演。フランソワ・トリュフォー脚本。性と男に興味を持ちはじめる年頃の少女役に当時のシャルロット・ゲンズブールは適役。大人っぽい服装をして映画に出かける姿、からかわれた同世代の女の子の手の甲にフォークを突き刺す意外性は好き。
映画『幸せはパリで(The April Fools)』(スチュワート・ローゼンバーグ/1969/アメリカ)。ジャック・レモン、カトリーヌ・ドヌーブ主演。ダブル不倫の駆け落ち先はパリという話。コメディタッチの映画にカトリーヌ・ドヌーブがなんだか重い。