地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


海、雲、太陽、それから自分でつくった言葉をひとつ。

そういえば昨日、忘れかけていたブックセラーアムズの展覧会『花森安治暮しの手帖展』に行ってみた。せまいアムズにどうやって展示してあるのかと思ったら単純にせまい展示コーナーだった。ギンザグラフィックギャラリーみたいにどかんと展示出来なくても、電車の中吊り広告のポスターはとても良くて、花森安治の装丁はとても綺麗だと思った。『エプロンメモ』(暮しの手帖社)ってちょっといい本。私が見ていたときに、3人の女の子グループも見ていたけれど、きゃあきゃあ言っててかなりうっとおしかった。そういう感じとは違うのでは。この間見た『チャペック兄弟とチェコアヴァンギャルド展』のヨゼフ・チャペックの装丁をちょっと思い出して、花森安治もヨゼフも好きだと思った。

今日はシネ・ヌーヴォでイングマール・ベルイマン映画祭。『処女の泉(Jungfrukallan)』(1959)を観た。宗教的な意味の理解はさておいて、最近見た映画の中では抜群にすばらしい。恐怖と残酷性と愛と復讐。人間の業と苦悩。映像の美しさと陰鬱なイメージが同居し、究極の寓話世界をつくりだす。ベルイマンのなかの神と神との戦い。少女の死体の下から泉が湧き出てあらゆる憎悪感情が溶け合うかに見えた。無宗教でも宗教について考え、神について考える。どう言葉に表現していいか分からない映画というのは私のなかで印象強く残り、また見てみたいと思わせる。

ちょうど映画評論家・三木宮彦氏のトークショーのある日だったのだけど、年齢層がものすごい高かった。ベルイマン好きはそういう年代なのかと少し悩む。三木宮彦氏はいいひとだと思う。

以下最近の映画メモ。

映画『ゴースト・ワールド(Ghost World)』(テリー・ツワイゴフ/2001/アメリカ)。ダニエル・クロウズのアメリカン・コミックが原作。退屈な生活からの脱出計画。評判のわりにはいまいち。現実社会に迎合できなさぷりは共感できない。さえないぽっちゃりジョシュがブラッド・レンフロだったと後から気づいた。

映画『ジャック・ドゥミの少年期(Jacquot de Nantes)』(アニエス・ヴァルダ/1991/フランス)。妻(アニエス・ヴァルダ)が夫(ジャック・ドゥミ)を撮った映画。映画好きの少年の生活に数々の名作映画のシーンを重ねたり、短編アニメーションを上映するシーンが好き。そういえばジャック・ドゥミシェルブールの雨傘』(1964)は見たことがなく、とても見たくなった映画。