杉浦日向子『食・道・楽』より
杉浦日向子の食・道・楽 [ 杉浦日向子 ] |
杉浦日向子最後のエッセイ集『食・道・楽』。そのなかの「色事は四十からがおもしろし」より抜粋。
だれもが平均寿命を生きられるわけではないが、いちおう、四十からは折り返し地点なのは確かだ。江戸では四十を「老いの坂」といい、ゆるゆる下る坂の入り口と見た。登りのときはしんどくて見えなかった景色も、しばし遥か遠くまで見渡せる時期でもある。
おたのしみはこれからだ。シジュウカラはおもしろい。
シジュウカラ、といい、40代で早逝した杉浦日向子を思うと泣ける文章で、ふと気づけば私もそういう時期なのでした。人生は長いようで短いのかも、と最近ひしひしと感じております。