地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『眠れる美女(Bella addormentata)』(マルコ・ベロッキオ/2012/イタリア、フランス)


実際にイタリア全土で論争を巻き起こした尊厳死問題について3つの物語を並行して描きます。イザベル・ユペールの出演が目当て。


ここまで尊厳死が社会的な大問題になる敬虔なキリスト教信者の多いイタリア。愛するがゆえに延命処置をし続け、愛するがゆえに生命維持装置をはずす、さらには自分で命を絶とうとする麻薬患者。2時間弱の映画のなかで延々と問われる生と死。決して主役ではないけれど、イザベル・ユペールが手をこすりながら「何度洗っても汚れが落ちない」という寝言はシェイクスピアマクベス」のマクベス夫人のセリフだそうです。イザベル・ユペールが演じるこういう示唆的なセリフは好み。