地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『フェリーニの道化師(I Clowns)』(フェデリコ・フェリーニ/1970/イタリア)



タイトルの「クラウン」とはサーカスなどに登場するおどけ役のコメディアンのこと(ピエロはクラウンの一種)。失われた道化師の時代を回顧するドキュメンタリーのような作品。


フェリーニのサーカスやクラウンへの愛情と幻想とがぱんぱんにつまった魅惑的なまぎれもない芸術作品。芸術作品なのに娯楽作品でもあり、完全にフェリーニ。クラウンたちの白塗りの顔はなぜだか哀愁に満ちていて、クラウンたち自体は得体のしれないふわふわした不安さえも感じるのに、不思議に魅力的。


8 1/2』のような圧巻の狂騒シーンはほんとにフェリーニ趣味ですてき。狂騒が終わるラストも泣ける。