地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『彼女について私が知っている二、三の事柄(Deux ou trois choses que je sais d'elle)』(ジャン=リュック・ゴダール/1966/フランス、イタリア)


彼女について私が知っている二、三の事柄 [DVD]

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たぶん学生の頃くらいに見たんだと思うけど、正直覚えてなかった『彼女について私が知っている二、三の事柄』。タイトルは超有名だけど、内容は政治色哲学色の強い作品で台詞が頭に入りにくい系の作品。


『ル・ヌーヴェル・オブセルグァトゥール』誌に掲載された実話をベースにした主婦売春の話。五月革命以前のド・ゴール政権による都市政策の一環・新首都圏拡張整備計画に従い公団住宅地帯の建設が進み、ブルドーザーの音が響くシーンが各所各所で挿入されます。ふいにカメラに向かって語る出演者。


マリナ・ヴラディは夫と幼い息子と娘と公団住宅で暮らす主婦。マリナは夫のいない昼間に、売春宿に子どもを預けて売春をして、その足で買い物をし、美容院へ行き、そして美容師の友人と一緒に大枚を支払うアメリカ人のいるホテルへ向かい、彼女たちはTWAとPAN AMの航空バッグをかぶらされ、部屋のなかをうろうろと行ったり来たりさせられる。ゴダールぽいアメリカ批判なんだろうと思うけど分かりにくい。フランス人の子どものフランス人らしい小生意気な作文はおもしろかったです。