地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『ラヴ・ストリームス(Love Streams)』(ジョン・カサヴェテス/1983/アメリカ)


ジョン・カサヴェテス 生誕80周年記念DVD-BOX HDリマスター版

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"愛"を描いた映画で、これ以上のものがあったかどうか思い出せない。絶え間ない"愛"の流れ、狂気すれすれの"愛"を描く、強烈な個性とパワーと同時にとんでもなく胸が痛くてとめどない悲しさを伴うすごい映画。


愛を求めるほど孤独になっていくジーナ・ローランズの壊れていく様は圧巻。離婚した夫と娘のデビーを笑わせようとするサラ(ジーナ・ローランズ)のはしゃぎ様が痛々しくて悲しい。この物語全体を包んでいるのは純粋すぎる愛によって増幅される辛いほどの痛々しさ。ジーナ・ローランズジョン・カサヴェテス姉弟の精神状態同様、物語も一見破綻しているようかの自由さ。どこに転がっていくか分からない。


カサヴェテスの映画に触れると湧き上がる感情がありすぎて、涙が出てくるよ。大人になればなるほどカサヴェテスの映画のすごさを実感。