地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『お引越し』(相米慎二/1993)


《新装版》お引越し (講談社文庫)

《新装版》お引越し (講談社文庫)



正直この映画がこんなにおもしろくて深みのある映画だと知りませんでした。相米慎二監督の子どもの撮り方(描写)がすばらしくて、当時11歳の田畑智子がほんとにいい。中井貴一と桜田淳子の夫婦もいい。そこかしこに泣けるシーンがあって、驚きの傑作。両親の離婚をあの手この手で阻止しようとする少女の心の葛藤。ラスト近く森の中を彷徨う幻想的な長い過程は少女が乗り越え大人になる過程。「おめでとうございます!」は印象的でいいシーンだなー。ラストのラストまで心憎い演出で楽しいです。しかしほんとに長回しな監督!いつまで回し続けるんだろう、と思ったシーンが何箇所もありました。その臨場感はすごい。