地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『にごりえ』(今井正/1953/松竹)



にごりえ [DVD]

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当時「東京物語」(2位)「雨月物語」(3位)を抑えて、キネ旬のベストテン1位になった作品。1953年てすごい日本映画豊作の年だったんだねー。


樋口一葉の短編小説「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」3編からなるオムニバス映画。成瀬巳喜男もそうだけど、女性主観で女性視線の映画をなぜこんなにも男性監督が上手に撮るのか本当に不思議。今井正は美人好みなのか、3編それぞれの主役をはる丹阿弥谷津子淡島千景久我美子みんながきれいどころで、はずしがひとりもいない。明治女性のやむにやまれない押し殺した感情や葛藤を上手に演出ししてること、当時の女性の地位や扱いなんかを見てるのも面白いし、樋口一葉の原作自体が面白いんだろうけどそれを丁寧に描く今井正がやっぱり上手で、映画ていいなーと改めて思うほどいい作品でした。


にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

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