地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『オリヴァ・ツイスト(Oliver Twist)』(デビッド・リーン/1947/イギリス)

ロマン・ポランスキー版ではなく1947年製作モノクロのデヴィッド・リーン版。嵐のなかずぶ濡れになった女性が救貧院に駆け込み男の子を出産する冒頭のシーンからすでにおもしろい。男たちの脂ぎった顔や女たちの揺れる脂肪、ぎらぎらした貧民街、においを感じさせる陰影の上手な作品。『カリガリ博士』にあるようなドイツ表現主義的な歪んだようなどこかおかしい遠近が狂ったセットや恐怖が迫りくるシーンはとても映画的で好み。壮大な逮捕劇のラストシーンが必要だったかは微妙だけれど名作らしい名作。

オリヴァ・ツイスト [DVD]

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