『晩春』(小津安二郎/1949/松竹)
笠智衆と原節子の共演する紀子三部作の第一作目。閑静な北鎌倉という舞台と、父と娘の静かで幸せな日常生活という組み合わせが絶妙。ローアングルで撮影される廊下から台所へ直線に抜ける視線、縁側のある部屋で笠智衆が物思いにふけるシーンは何度見ても好き。娘を思う父と、父を思う娘の微妙な心理描写。娘を嫁がせ、ひとり寂しく林檎を剥く父のラストシーンに胸がしめつけられる。見終わってからなんと穏やかな気分になれる映画だろう。
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2003/10/25
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (45件) を見る