地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


瞬間の、状況の、背景の鋭い意識


トリノ五輪を見ながら興奮している日々。

映画『散り行く花(Broken Blossoms)』(D・W・グリフィス/1919/アメリカ)。無声映画リリアン・ギッシュ演じる薄幸の永遠の美少女ルーシーの美しさ、映像自体の美しさに釘付け。サイレントならではのオーバーアクション。リリアン・ギッシュの恐怖におびえる様子や無理矢理自分で作る微笑、残酷な死。文句なしに美しい彼女なしでは成り立たない映画。悲劇の結末はあまりにも詩的で静かで清らか。本作品はトーマス・バーグの短編小説集『ライムハウス夜景集』の一遍『中国人と子供』を映画化したもの。ラストシーンは後にゴダール勝手にしやがれ』で引用される。


D・W・グリフィス傑作選 [DVD]

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散り行く花 (トールケース) [DVD]

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良くも悪くもゴダールの『勝手にしやがれ』て、"標準"や"基準"にされやすい映画だなーと思う。確かに引き合いに出されると分かりやすい(ようなごまかされたような)。最近見た映画はゴダール絡みというわけでもないのにゴダールと連呼していた気がする。好き嫌いではなく。

先週から東京・岩波ホール川本喜八郎の新作『死者の書』が封切上映されている。また、2月21日-26日の6日間、東京銀座4丁目大黒屋ギャラリーで『「風」川本喜八郎人形展』(「死者の書」「冬の日」「李白」「三国志」「平家物語」などから)という催し。2月27日 15:00から、恵比寿ガーデンプレイス内の東京都写真美術館にて「死者の書」が文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞したのを記念して川本喜八郎監督と山村浩二氏の対談。そのあと『年をとった鰐』『死者の書』の上映会。2月25日-3月17日の3週間、東京・渋谷ユーロスペースで『川本喜八郎短編アニメーション』を一挙公開。ほとんどDVD作品になってるものだけど、特別プログラムの『蓮如とその母』(1981年/92分)や『アサヒビールCM集』 (1959年/約5分)がうらやましい。いいなー東京ばっかり盛り上がってていいなー。

ところで、全56話+ダイジェスト1話の計57話を9枚のディスクに完全収録した川本喜八郎『人形歴史スペクタクル 平家物語 完全版 DVD SPECIAL BOX』が2/24発売。

  • ■特典映像:
  • 第1部=本編240分+特典8分(「人形作り」・フォトギャラリー31枚)
  • 第2部=本編240分+特典7分(「声の出演者たち」・フォトギャラリー28枚)
  • 第3部=本編240分+特典9分(「人形の操演」・フォトギャラリー34枚)
  • 第4部=本編260分+特典6分(「小道具・合成技師」・フォトギャラリー27枚)
  • 第5部=本編160分+特典7分(「義経・弁慶の最期」・フォトギャラリー38枚)

第1部から第4部までは約1万円。第5部は約5,000円。合計44,415円。でもアマゾンで買ったらなんと税込34,644円。わーどうしようー。



ハッピーバレンタイン・ディナー・メニューはデコちゃんレシピより。鶏の手羽先と大根の煮もの、塩鮭を入れた三平汁、白ごはん。たんなる和食メニューと思うなかれ。 デコちゃんを身体で感じるメニュー。なんてすてき。