地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


すべてを揺るがす深み、昼の到来

いやーん知らなかった。なんばにあるjazz cafe「nu things(ニューシングス)」の存在を。1976年創刊『rock magazine』の阿木譲氏のお店。平日昼間はカフェタイム。そして夜は阿木譲氏のDJが延々と。目を輝かせて「行きたいー」と家人に言うとええっという顔をされた。なに?年齢をうたがってるわけ?

江戸堀のブーランジェリー・タカギに寄る。小さくかわいい店内にたくさんのパン。ハード系のパンが目につき試食をしてみると美味しい。お店のひとの感じもよくて、店内は同い年くらいの女の人でいっぱい。なんとなく好感を持ったのでここでちょっといろいろなパンを買ってみようと思った。京町堀のブランジュリ・タケウチは朝に行けないから種類が少ないのが難点。ブーランジェリー・タカギは夜でもきちんと品数があって焼きたてもある。立地条件のせいだろうけど。

映画『櫻の園』(中原俊/1990)。吉田秋生原作の同名漫画の映画化。創立記念日に恒例のチェーホフの戯曲「櫻の園」を上演する女子高校の演劇部員の開演までの数時間の話。そこに加わるのは切ないほど純粋な想いでありリアルな青春像であり17,18歳の女の子の心理として懐かしいと感じる。魚喃キリコ『blue』は評価が高いかもしれないけれど、私が好きなのは断然『櫻の園』。そこに宝塚的要素がふんだんにあることも関係ある思うけれど、女の子が女の子を好きなったり憧れたりする感情が『blue』よりもより的確で素直で正直だと思うし、なによりこの話の節々の(客観的には歪曲した)閉鎖的な美しさに私は泣けてきてしまう。

私は女子校ではなかったけれど、女の子同士のはしゃぐ様子や恋の話、時代は違っても変わらないことが面白かった。私にとって現実逃避欲求が満たされる映画で良かった。あーこういう超プラトニックラブしたーい(結論)。

映画『マーサの幸せレシピ(Mostly Martha)』(サンドラ・ネットルベック/2001/ドイツ)。一流フレンチ料理店の女性シェフのお話。深夜ラジオに流れるジェットストリームのような音楽が意外と耳障り。物語が進むにつれ面白くなくなってしまった映画。もう少し期待していたのに残念。

ブロードバンド試写会にて『10ミニッツ・オールダー イデアの森/人生のメビウス』を7作品のみ鑑賞。マイケル・ラドフォード『星に魅せられて』、ジム・ジャームッシュ『女優のブレイクタイム』、ビクトル・エリセライフライン』、ヴィム・ヴェンダース『トローナからの12マイル』、チェン・カイコー『夢幻百花』、クレール・ドゥニ『ジャン=リュック・ナンシーとの対話』、ジャン=リュック・ゴダール『時間の闇の中で』。

良かったのはダントツでジャン=リュック・ゴダール『時間の闇の中で』。次にクレール・ドゥニビクトル・エリセ。10の"最後の瞬間"を語るゴダールの映画は美しくインパクトのある詩的なセリフが飛び交う。10分という枠のなかで最も効果的なのがコラージュだったのかもしれない、と思った。物語ではないので多少ずるいけど一番良かった。

今月末南船場のうつつ屋で開かれるフリマが面白そうなので行ってみたい。

チェブラーシカ』の監督、ロマン・カチャーノフの『ミトン』『レター』『ママ』(1967-1972/ソ連)という短編が公開される。公式HPで見れるちょっとだけのムービーもかわいい。ミトンが犬になってしまうという設定がかわいい。こういう愛らしさがある映画が見たい。大阪では12月20日(土)より梅田ガーデンシネマにて。