地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『鍵』(市川崑/1959)

鍵 【DVD】

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価格:2,481円(税込、送料別)


原作谷崎潤一郎、撮影宮川一夫というだけでアガる映画。本編も相当におもしろかった、原作『鍵』が断然読みたくなる良映画でした。冒頭のストップモーションがかっこよすぎる。


妻を満足させるために性欲を保ち続けようとする初老の中村鴈治郎、妻である爬虫類のような京マチ子の心理戦。直接的なシーンはないものの、エロで官能的(そして少なからず変態)、しかし文学。びっこの夫とをリンクさせる、勝手口に入ってきた子猫が足を引きずっているのを見て「この猫、びっこや、早うあっち行け」とつまみ出す京マチ子の表情が秀逸。


見事に「文学」に昇華させているのはスタッフと出演者たちの力量。