地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』ラヴ。
文系家人と10歳と6歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『クスクス粒の秘密(La Graine et le mulet)』(アブデラティフ・ケシシュ /2007/フランス)


アデル、ブルーは熱い色』を見てみたくて、そのアブデラティフ・ケシシュ監督の2007年の作品。これが思いがけずすばらしい作品!


アデル、ブルーは熱い色』も3時間という長尺らしいんだけど、こちらも2時間半という大作。フランス南部の港町を舞台に、アラブ系移民一家を描いた作品。クスクスが売りの船上レストランを開くという目的に向かって物語は進んでいくものの、もはやドキュメンタリーのような生身の圧倒される怒涛の会話、体温をも感じる質感、熱気、カメラの焦点の合わせ方、これが練り込んだ脚本ならこれまたすごい。リムを演じたアフシア・エルジも15kg増量しての役作り、この役作りがあったおかげであの痛々しくも艶やかなベリーダンスを印象付け、監督も小津安二郎に影響を受けたというし、やっぱり細部まで練り込まれて作られた限りなくリアリティを追求した映画なんだろうと思います。


すぱっと切れるようなラストもこの長さがあってこそ。すごい。