地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『オルエットの方へ(Du Cote D'Orouet)』(ジャック・ロジエ/1970/フランス)


アデュー・フィリピーヌ」を見て「オルエットの方へ」を見るとこれは女の子の数が2人から3人に増えただけでほとんど同じ映画。海辺のバカンス、とりとめのない話にバカ騒ぎ。ジャック・ロジエの何が上手かといえば、なんてことのない時間、けれどかけがえのない(と思える)時間の切り取り方。終わりはないような錯覚。


物語はほとんど単調で驚くほど何も発信せず、彼女たちの意味のない会話が延々と続いたり(この映画はまた特別長くて160分超)、こういう映画は大人になりきらないと案外難しいよなーと思います。渦中にいるとなかなかこのキラキラ具合いが感じにくいよね。特別美人でもないしスタイルもさほどよくない3人というのがリアリティを増幅させます。「オルエットの方へ」を見ると「アデュー・フィリピーヌ」の良さをまた再認識。