地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー(36 vues du pic Saint-Loup)』(ジャック・リヴェット/2009/フランス、イタリア)


ジャック・リヴェット、実はそれほど見れてないうえに印象もそんなになく、アンナ・カリーナの『修道女』も見てるのにうろおぼえレベル。


この歳になってようやく分かる/分かった気になる映画もたくさんあるけど、この作品も分かるとは言い難い、結果的に難解ということになるのかもしれない大人の愛がテーマ。ストーリーそのものは難解ではありません。ヌーヴェルヴァーグ人らしいふいにはじまる劇中劇、または出演者がカメラに向かって話し出す、こういう演出はいかにも!で楽しく感じます。


空に浮かぶ丸い月と小さなサーカスの円形のテントと舞台。道化たちの寸劇では丸い皿が次々に割れ、最終的にはすべて割れてしまいます。違和感による小さな小さな亀裂、ムチで裂かれる新聞紙によって完全に解き放たれます。


老いても巨匠ジャック・リヴェット。一筋縄ではいかないひねくれ加減。