地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』ラヴ。
文系家人と10歳と6歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『プライズ~秘密と嘘がくれたもの~(El premio)』(パウラ・マルコヴィッチ/2011/メキシコ、フランス、ポーランド、ドイツ)


荒涼とした海辺の映像と淡々とした描写がなかなかの秀作映画でした。


舞台は1970年代のアルゼンチン。政治的混乱、暴動、そしてビデラ将軍による軍事独裁政権時代(wikipedia-アルゼンチンの歴史参照 *1)。いとこやおそらく父親も軍に殺された母親と幼い娘のひっそりと身を隠す生活。それについての説明はほとんどなく、海辺のあばら家に住み、本を砂浜に埋め、学校に通うことになった娘には両親について虚偽の説明を練習させる母親。


幼い娘はこんな生活をしていることに理解できない。その女の子の自然体の演技がうますぎる。お医者さんの白衣のような当時の制服がとてもかわいくて、見ため通り幼くあざとく見えず、本気で泣いて怒って困惑して完璧にドキュメンタリーのようなリアル感。監督のうまさと女の子のうまさがぴったり重なったような演出。政治的弾圧のある時代のフラストレーションが伝わります。