地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と10歳と7歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『愛染かつら 総集編』(野村浩将/1938-1939)



当時、社会的現象を巻き起こしたという『愛染かつら』シリーズ。"前編""後編""続編""完結編"とあったものをフィルムがすべて現存しておらずいま見れるのはつなぎ合わせた総集編のみ。実は完結編のラストは中国が舞台。総集編のラストはどの部分なのか不明だけど白衣の天使の歌手デビューというところで終わっています。フィルムがいかにズタズタだったかということ、よくここまで上手につなぎ合わせたなと感心します。


津村病院のボンボン(上原謙)と子どもがいることを隠して働く看護師(田中絹代)との恋を描くメロドラマ。看護仲間にはすべるように口から出てくる身の上話で自分の味方につけ、言い寄る上原謙に子どもがいることをひたすら隠す田中絹代。えっ言わずに駆け落ちの約束しちゃうの?というとんだやり手の田中絹代。そのうえあれよあれよとまさかの歌手デビューという想定外なストーリー。朴訥な外見の田中絹代が思いがけず性悪なのも面白いし、桑野通子の気のいいモダンガールぶりも『兄とその妹』(島津保次郎/1939)以来に見て楽しい。ストーリーの無理やり加減も含めて昔々のメロドラマは現代でも楽しく見られます。