地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』ラヴ。
文系家人と10歳と6歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『楢山節考』(木下恵介/1958/松竹)



信州の姥捨て伝説を基にした深沢七郎の同名小説の映画化。『喜びも悲しみも幾歳月』の大ヒットで、木下恵介が思いのたけをぶつけてやりたい放題やったという(噂の)本作品。すべてを撮影した3年かがりで製作したセットはかなりのスケール。歌舞伎仕立てでナレーションはすべて長唄、というかなり実験的な色合いの強い映像でおもしろいです。主演の田中絹代が、老いても立派な前歯を石臼に打ち付けて歯を折るというシーンがあるのだけど(老いて歯が立派であることは恥ずかしい)、このシーンのために本当に前歯を折って挑んだり、監督も女優も凄まじい入れ込み様。田中絹代は正直華はないのでこういう老いた役のほうが見られます。メロドラマが得意の木下恵介らしい箇所もたくさんあるんだけど、深沢七郎の原作を読んでないものの原作はそうでもないんじゃないかと勝手に想像。ラストの姨捨駅の実映像がなんだか異質なんだけど、あれは必要だったの?


女優度の話ではなく、受ける印象が田中絹代石原さとみって似てる。たぶん同性受けはあまりよくないと思うんだけど男性受けはいいよね、なんでかなー。


楢山節考 (新潮文庫)

楢山節考 (新潮文庫)